毛玉河原の落書(新)

受験勉強プロデューサー「けだま」こと武田真樹のブログ。

世界史【実戦型教材】(通史学習傍用)のベストセレクション

ここでいう実戦型教材とは、「ドリル型」教材と違って、正誤問題や地図・図表問題・史料問題など、入試や定期考査などに出てくる様々な形式の問題を集めたもの。ここで紹介するのは、それらを、通史学習中の人がその順番でやっていけるように編集してある問題集である。

 

鈴木悠介『イチから鍛える 入門編』(学研プラス) 

 

「中堅私大」までの志望者にとって「実戦型」教材最初の一冊としてベスト。それ以上を狙う人でも世界史に苦手意識がある人にはお薦め。
全て4択の適語選択問題で、一見4択の易しい語句問題集(ドリル型教材)のようだが、出題の仕方に工夫がされていて、「○○の例として不適切な語句を選べ」など、正誤問題的な要素が含まれている。入試問題未満の基礎トレ用オリジナル問題集。
おおむね通史順に世界史をわずか40課に分け、1課につき上記のような問題が見開き2ページに25~30問くらい。レベルも分量もかなりライト、かつ良質。
欠点は、分量がライトな割にまあまあの値段であること。紙が厚いのと、別冊語句暗記シート(ドリル型教材があれば不要)があるせいか。得意な人はスルーでよい。

 

  石井栄二他『30日完成センター形式』(山川出版社)

 

「MARCH」「関関同立」以上を目指す多くの受験生実戦型教材「とりあえずの1冊目」に最適。「中堅私大」受験生や、『イチから鍛える 入門編』から始めた受験生にとっても、2冊目やちょいチャレンジ教材として良質なので、結局ほとんどの人にお薦めできる一冊
その名の通り、共通テスト(旧センター試験)に出る形式である、4択正誤や組み正誤を中心に、並べ替え、図版・地図問題も含む
おおむね通史順に、世界史をタイトル通りわずか30課に分けているが、文の4択正誤が中心の小問が1課につき25問前後あるので、普通の入試問題集でいうと1課につき大問2~3つ分くらい(全体で大問75題程度)のボリュームはある。初学者は「30日」で「完成」する必要はなく、通史学習と並行してやっていけばよい。
センターの過去問ではなく、トレーニング用に作られたオリジナル問題集で、ややセンターより細かいものもある。しかし、難関私大の入試のような難問・悪問はなく、教科書に即しており、正誤の基礎トレ用に適した良問の宝庫
 

鈴木悠介『イチから鍛える 必修編』(学研プラス)

 

「中堅私大」受験生の、『入門編』に続く(もしくは同時並行の)2冊目に良い。これらと『センター形式30日完成』とのコンボなども良いだろう。難関大受験生でも、世界史にあまり自信がなく時間的に余裕がない生徒には良い。 
「中堅私大」クラスの入試問題抜粋を40課(およそ大問40題分)。語句問題と、標準的な正誤問題をバランス良く。問題が少ないのですばやく幅広い範囲をできることと、少ない分解説が一問一問丁寧なのが特徴。別冊の地図ワークも役立つ。
『入門編』同様、ライトな割にまあまあの値段なので、世界史が得意な生徒には物足りないだろう。

 

「中堅私大」受験生は、ドリル型教材に挙げた『マスター問題集』の完全習得と上記ラインナップを軸に、あとは余裕に応じて『全レベル問題集3』などをやってもよい。

  

 

 

伊倉正武『体系』(教学社)

 

「MARCH」「関関同立」以上の難関を目指す受験生の、『センター形式30日完成』の後、もしくは同時並行の一冊に良い。重量級で密度が高い、「オールインワン」な一冊
 「中堅私大」から「MARCH」「関関同立」「早慶上智」まで、多くの私大の入試問題とその改題で、78課(およそ大問78題分)。
語句問題と正誤問題のバランスが良く、気まぐれ?にだが軽い論述問題が含まれるのが特徴。刺激になる程度にたまに難問もある。出典大学名が幅広い割には、レベル的にも分量的にも粒ぞろいで、やりごたえがある。
解説は全体に簡潔だが、正誤問題に関しては実用的で最低限しっかり。論述問題はあっさり。語句問題は難しくても解説が一切ないのは若干の欠点。
配列が教科書順ではなく、地域別にタテ切りしてあるので、やや注意が必要(通史学習と並行してできないわけではない)。

 

難関私大受験生は上記ラインナップを軸に、あとは余裕に応じて『全レベル問題集4』、山川『関関同立』、『正誤問題集』などをやり散らかしてもよい。