毛玉河原の落書(新)

受験勉強プロデューサー「けだま」こと武田真樹のブログ。

現代文の共通テスト対策本はこれ一択かな。

2022年4月20日追記

以下の記事はまだ共通テストがヴェールを脱ぐ前の話です。
共通テストが2度行われた現在以降の情報は、追って書きます。

―――

 

出たてホヤホヤの現代文共通テスト対策本で

お勧めが1つあります。

こちらです。

 

 

https://amzn.to/2BaXrrh

 

 その著者である小池陽慈先生の、こちらのツイートを見て、

先ほどnote記事も読みました。

 

 

主題はツイートの通り。

内容は、来年実施される最初の共通テストが、

コロナ禍の渦中の現高3にとって負担の少ないものになるよう、

(一から作り直しは無茶なので)今できている作問に手を加えるというもの。

 

その作問の具体策が述べられているところが圧巻です

 

小池先生の分析によると、

受験生が特に新しく訓練しなくてはいけない要素は、

新傾向である「非連続型テキスト」問題

つまり複数の別々の文章を読み取る問題、

その中でも、特に従来にない「図表やグラフ」など

多様な文書の読み取りにおいて、

出題者の意図通りの読み取りを成り立たせるために

設問に仕掛けられている「出題者の誘導に乗る」ことだといいます。

 

類題の演習を通じてそういう思考手順に慣れる必要がある

ということでしょう。

 

よってそのような新奇な要素を減らし、

旧来型の学習でも対応できる問題の比重を増やすというのが

主要な提案です。

 

注目すべきは、その提案に至るまでに、

共通テスト試行調査問題を詳細に分析し、

「こうこうこうだからこういうところが難しいんだ」

と、受験生に必要な訓練要素を抽出していることです。

その中核が、

グラフを読み取ったり

複数のテキストを複合したりする中で生じる多様な読みを、

出題者の意図する読み方に統合し、

まさしく共通テストとして成り立たせるために、

出題者が「誘導」を仕掛ける必要があり、

それに「乗る」ことが解答者側に必要なことだ、

というのですが、

このような結論に至るのは、

著者が予想問題の作問者として、

徹底して出題者目線で

試行問題に当たっているからです。

 

それは、

旧来型の学習で対応できる要素を増やす際の困難まで予想し、

それに対し、「このように作問したらどうか」

と提案までされていることからも明白です。

 

この提案が共通テストを作成するエライ先生方の目に触れるか、

果たして提案が活かされるかは、

この提案を拡散して「世論」を喚起する以外には、

もはや祈るしかありませんが、

その前に受験生としては、この提案はもはや、

出題者側からの手の内の披露みたいなものです。

だって出題者が十分に適用できる提案がなされているのですから。

 

そのような筆者が書いた

試行調査の解説と予想問題集が、

信頼できないはずはありません。

 

ちまたに出回る「共通テスト」の名を冠した学参には、

「名前だけ共通テスト」で、

中身は旧来のセンターに、

試行調査の問題と簡単な設問解説を加えただけで、

「分析」・「対策」というには不十分なものも多いです。

 

試行調査問題を掲載はしているものの、

他はフツーに従来のセンター試験の過去問集だったり、

予想問題も、

形式だけはなるほど図表や資料が多かったりするが、

設問の本質は旧来のセンター型と変わらない、

共通テストの新しさを

本当のところでとらえていないものだったりします。

(国語に限らないです。)

特に去年までに見かけたものはその弊害が大きいです。

商売上の都合で急ぎすぎ、

まさしく「間に合わせ」なのでしょう。

 

その点この本は、

つい2週間ほど前に発売されたばかりですが、

パッと開いただけで上記のような結論に、

なるほど到達できそうだ、という「分析」が目に飛び込みます

 

実は僕はまだ書店で文字通り「パッと開いた」だけで、

その後注文して到着待ちの段階なのですが、

このnote記事を見て「自信が確信に変わり」((c)松坂大輔)、

自分の塾の共通テスト一期生にも取り入れようと思っています。

 

 

さらには、このシリーズ全体が同様に秀逸かどうか、

さらに調査したいと思います。