毛玉河原の落書(新)

受験勉強プロデューサー「けだま」こと武田真樹のブログ。

高校生のための世界史読書案内(序)―― OG思い出話・超人編

今回学校の授業で高1世界史を担当することになりましたが、

コロナ禍でオンライン授業が続いています。

まだ見ぬ生徒たちですが、質問フォームに質問をしてくれて、

これがなかなかレベルが高くていい質問が多い!

 

その中に、授業の復習など「いわゆるお勉強」ではなくて、

論文やニュースや団体のサイトを読むなどの勉強をする方法は

世界史ではどのようなものがあるか

という質問がありました。

いわば「本当の勉強」「大学に入った後のための勉強」ですね。

 

なので、ここで具体的にちょいちょい紹介していきたいと思うのですが、

今日は主に、それにまつわる雑談を少々。

 

ん、こうした習慣を持つ生徒が、

本当の「有名進学校」っぽい生徒ですよね。

こういった生徒が増えれば「進学実績」は自然に良くなるでしょう。

毎日塾行って宿題宿題、いつも片手に単語帳、

…なんていう生徒は、少なくとも東大や京大は似合わないし、

それ以前に灘とか御三家とかにそんな人いなさそう、

いてほしくないです。

 

僕の勤める学校での思い出話でいうと、

これまでハーバード大に2人進学してるんだけど、

そのうちの第1号の方、仮にSさんとしますが、

彼女は僕のところによく質問や雑談に来てくれました。

2011年~2012年の話です。

そういえば僕の旧「毛玉河原の落書」は、

あの学年を対象に作ったんじゃないかな、タイミング的に。

 

当時学校でも、「世界史勉強法を伝授するぜ」

みたいなことを僕が言い始めてた時期で、

Sさんはすぐにやってきて、

「東大受けたいんだけど高2の間は何をすればいいか」

みたいなことを質問に来たんですね。

問題集はドリル型と入試型を用意して、

地味に4回繰り返せ、みたいなマニュアルを、

実に素直に実行してくれたことが印象的でした、

だってハーバード行けちゃうような人なのに…。

 

高3の頃はよく東大論述の添削とかでやりとりしました。

 

(東大は余裕で合格、ハーバードが始まるまでの間だけ在学し、

その後アメリカに旅立っていきました…すごい人だった…)

 

そのSさんは、まあなにしろハーバード進学を考えてたくらいだから、

それこそいろんな本や論文や学術的なサイトを読んだりしてましたね。

 

あいまいな記憶ですみませんが、イェール大学かどこかが、

講義の一部をWeb上で無料公開していたらしく、

それを聴講してるとか、

当時話題になっていた、マクニールという世界的歴史学者

『世界史』という本を読み、僕に質問や話題を振ってきたり、

ナオミ=クラインという、

グローバリズム資本主義の弊害を暴いているジャーナリストの

『ショック=ドクトリン』という本を英語で読んで、

その本の存在自体僕に教えてくれたりしました。

 

ええ、僕から見てももう、仰ぎ見るような存在なんですが、

まあそこまでいかないにせよ、

「目指すべき方向性はそっちだぜ」

「これが本物だぜ」

っていうことです。

 

彼女においては、

本物の勉強と受験勉強が決して別物ではなかったんです。

「(試験のために)ここまで学べばいい、

これを覚えましょう、という授業が多いが、

けだま先生の授業はそういう枠がなく、

どこまでも広がっていく感じがした」

という意味のことを、卒業間際ぐらいに言われたのが、

講師生活で一生の宝です。

 

ということで今日は、

そんな方向へと踏み出す最初の1冊を紹介。

 

中高生が一番読みやすいシリーズとして、

岩波ジュニア新書があります。

その中から興味をもったタイトル・内容のものを

どんどん読んでいけばいいのですが、

その手がかりになる本もあるんです。

 

世界史読書案内 (岩波ジュニア新書)

世界史読書案内 (岩波ジュニア新書)

 

  ね?(笑) まさにズバリのタイトルでしょ。

【独断と偏見によるけだま判定】
難易度★★☆☆☆(中高校生にとって難しいかどうか。)
一般性★★★★☆(幅広い人に向く内容か。)
必読度★★★☆☆(その筋では知られた定番の本かどうか。)
面白さ★★★★☆(個人的にけだまにとって刺激的かどうか。)

ジュニア新書だし、そんなに難しくはないです。
この本が必読というか、
ここに出ている本が必読書満載です。
この本に出ている本を片っ端から読むもよし、
逆に、興味ある分野の本をここから探して
ピンポイントに読むもよし、ですね。

 

 

 ※けだま判定は、本の「タイプ」を判定したものであり、

 本の「値打ち」を評価したものではありません。

 そしてもとより、浅学の私の主観的なものです。